ちか と つる
「おおだま」と「しずくいし」による、『戦国BASARA』のチカツルについてあれこれ語ったり、二次創作したりするブログです。NLオンリー。腐はどこを探してもありません。
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学パロのチカツルで、「はがゆい君たちへの七題2」の6番目のお題です。
アニキが助っ人として駆り出された剣道部の試合での一コマ。
配布元:サキサカユキジ様/jachin
≪ 6.好きな人の好きな人 ≫ しずくいし
アニキが助っ人として駆り出された剣道部の試合での一コマ。
配布元:サキサカユキジ様/jachin
≪ 6.好きな人の好きな人 ≫ しずくいし
相手が退こうとして生まれた僅かな隙を見逃さず、元親はこちらへ向けられた竹刀を右上に払い上げた。その反動を利用するように弧を描いた竹刀は、鋭い打突音を響かせ相手の正面へ。
文句の付けようのない見事な払い面であったが、元親はその後も残心を持って身構える。
次の瞬間、彼の胴紐の交差部に付けられたたすきと同色の赤い旗が3本、ばさりと音を立てて一斉に上がった。
「一本!」
主審の宣告をもって三本先取となり、副将戦を制したことで勝者数が上回った彼らは勝利を手にした。勝負の行方を見守っていた仲間達は緊張に詰めていた息を吐き出し、みな安堵の表情を浮かべている。
全国高校剣道大会・県予選の団体戦。
怪我人続出で急遽駆り出された助っ人ではあったが、元親は副将の名に恥じぬ活躍ぶりで勝利に貢献していた。
大将が試合終了の立礼をするのを試合場の外で眺めていると、もう一つの試合場の方でどっと歓声が上がる。どうやら次の試合――――決勝戦の相手が決まったようだ。
いち早く様子を見に行っていたマネージャーが小走りで戻ってきて、相手校を叫ぶ。これまでどこが相手だろうが気にも留めなかった元親の眉が、ぴくりと動いた。そしてその構成メンバーを記したノートを覗き込むに至って、その表情は一層険しくなった。
視線は副将に据えられた男の名に集中している。
風魔 小太郎
どんな人物であるかは知らない。知りたくもない。
けれど元親はその名をよく知っていた。
彼の同級生である鶴姫が「ピンチを助けられた」とのぼせ上がり、うっとりと夢見るような甘い表情でその名を口にするのを、嫌というほど見ていたからだ。
「……面白ぇ」
低い低い声だった。
突然凄みを増した元親に、仲間達がぎょっと振り返る。
口にはしないが、彼の目は如実にこう語っていた。
――――俺まで回せよ、と。
文句の付けようのない見事な払い面であったが、元親はその後も残心を持って身構える。
次の瞬間、彼の胴紐の交差部に付けられたたすきと同色の赤い旗が3本、ばさりと音を立てて一斉に上がった。
「一本!」
主審の宣告をもって三本先取となり、副将戦を制したことで勝者数が上回った彼らは勝利を手にした。勝負の行方を見守っていた仲間達は緊張に詰めていた息を吐き出し、みな安堵の表情を浮かべている。
全国高校剣道大会・県予選の団体戦。
怪我人続出で急遽駆り出された助っ人ではあったが、元親は副将の名に恥じぬ活躍ぶりで勝利に貢献していた。
大将が試合終了の立礼をするのを試合場の外で眺めていると、もう一つの試合場の方でどっと歓声が上がる。どうやら次の試合――――決勝戦の相手が決まったようだ。
いち早く様子を見に行っていたマネージャーが小走りで戻ってきて、相手校を叫ぶ。これまでどこが相手だろうが気にも留めなかった元親の眉が、ぴくりと動いた。そしてその構成メンバーを記したノートを覗き込むに至って、その表情は一層険しくなった。
視線は副将に据えられた男の名に集中している。
風魔 小太郎
どんな人物であるかは知らない。知りたくもない。
けれど元親はその名をよく知っていた。
彼の同級生である鶴姫が「ピンチを助けられた」とのぼせ上がり、うっとりと夢見るような甘い表情でその名を口にするのを、嫌というほど見ていたからだ。
「……面白ぇ」
低い低い声だった。
突然凄みを増した元親に、仲間達がぎょっと振り返る。
口にはしないが、彼の目は如実にこう語っていた。
――――俺まで回せよ、と。
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