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ちか と つる

「おおだま」と「しずくいし」による、『戦国BASARA』のチカツルについてあれこれ語ったり、二次創作したりするブログです。NLオンリー。腐はどこを探してもありません。

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「ぽわぽ庵」の雷火さんのチカツルイラストからインスピレーションをいただいて書いた小話です。

≪ ゆびきり ≫ しずくいし
 戯れにどちらからともなく絡めた手は、離れる寸前で小指で引っかかった。
 どちらかがほんの少し力を緩めればすぐさま解ける、そこで解けぬ指に意思を感じて嬉しくなる。
 元親が綻ぶ顔を隠しもせず「ゆびきりみてえだな」と言うと、鶴姫は怪訝な顔でこちらを見上げた。
 どうやらゆびきりを知らないらしい。なんだか痛そうですと眉を顰めている。
 その様子に少し笑って、約束を守る意思を表す風習だと教えてやると、鶴姫はしばし何かを思案した後でこう言った。

「きっと、離れ難くて約束をしたのでしょうね」

 つまり、約束を守る為にゆびきりをしたのではなく、指が離れることを惜しんでの約束だと。
 確か元々の起源はそんな可愛らしいもんじゃなかったと思ったが、鶴姫が幸せそうに笑うから、それでいいやと思った。

「また、近いうちに来っからよ」
「約束ですね!」
「おう、約束だ」

 ゆびきりげんまん、歌う元親の口元を鶴姫が真剣に見つめる。
 針千本飲ます、で目を丸くするのが可笑しい。
 ゆびきった、最後に軽く指を引くと、抗うように少し力が入り、そして離れた。

 ひやりとした空気が小指を包む。

 先の鶴姫の言葉が脳裏を過ぎり、すとんと胸に落ちた。

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