ちか と つる
「おおだま」と「しずくいし」による、『戦国BASARA』のチカツルについてあれこれ語ったり、二次創作したりするブログです。NLオンリー。腐はどこを探してもありません。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ツイッターに垂れ流した、短いものをまとめました。
『#同題ssBSR』という企画にこっそり参加したもの、参加しようと思ったけど字数オーバーで断念したものがほとんどです。
『#同題ssBSR』という企画にこっそり参加したもの、参加しようと思ったけど字数オーバーで断念したものがほとんどです。
【チカツル/手】
いつもは紫の弓懸に覆われた大きな手が、鶴姫の頬を滑る。
巨大な碇槍を操るために豆ができ、節くれだったそれは少し肌に痛いけれど、直接伝わる体温が心地良くて。
離れていく名残惜しさに、鶴姫はそっと手を重ねた。
【チカツル/機械仕掛け】
カラクリにまるで興味のない鶴姫だが、暁丸の試作品に乗せてやると、陸を走る爽快感に歓声を上げた。
どんなもんでぇ、ざまあみろ!内心で拳を握る。
この女に己の趣味を認めさせたい、分からせたい。その感情がどこから来ているのか、元親はまだ気付いていない。
【チカツル/願い】
ガキは苦手だ。なんせすぐ泣く。そうなったら、俺はもう諸手を挙げてバンザイだ。
「そういやアイツは泣かねえな」
まぁ、ガキって歳でもねぇんだが。
ちょっかい掛けりゃあいっちょ前に怒るが、大抵ニコニコ笑っていて涙は見せたことがない。
「気を許した奴の前では泣くんかな」
なんでだ、面白くねえ。
「…泣けばいいのに」
俺の前で。
俺の前、だけで。
【佐助と鶴姫/首】
暗殺の命を受けて訪れた伊予河野。そこで対峙した巫女は、不思議なほど凪いだ瞳で佐助に告げた。
「もし私が死んだら、地中深くに埋めてくれませんか?」
海ではないのかと問うと、それではどこかに流れ着いてしまうと答える。
「つまり誰にも知られたくないと?」
「私は船を支える錨なのです」
なるほど、見くびっていたのは己の方か。
首は簡単に取れそうもない。
【チカツル/触れる】
なんでだかその顔を見ると、無性にちょっかいを出したくなる。向こうも『先見の巫女』なんてご大層な肩書きの割にとんだ跳ねっ返りだから、打てば響く。勝負だなんだと散々やり合った。
その度にツラ突き合わせてガン飛ばして、お互いの距離が狭まることは何度もあったはずだが、不思議と触れたことはなかった。触れるという選択肢が頭になかった。
ところがある日ふと、手に触れてみた。理由なんかねえ、ほとんどそれは衝動だった。
ほっそりとした右手を両側から包み、親指を滑らせる。肌理細やかな手触り、細い指。しかし指先だけが不自然に硬い。
鶴の字は変な顔でこちらを見上げている。だが何も言わなかった。ただ黙って、俺を見ている。
そうか、俺はずっとこうしたかったんだ。
不意に腑に落ちた。我ながら鈍い。
「俺、お前に惚れてるみてぇだ」
目の前の鶴が豆鉄砲を食った。
いつもは紫の弓懸に覆われた大きな手が、鶴姫の頬を滑る。
巨大な碇槍を操るために豆ができ、節くれだったそれは少し肌に痛いけれど、直接伝わる体温が心地良くて。
離れていく名残惜しさに、鶴姫はそっと手を重ねた。
【チカツル/機械仕掛け】
カラクリにまるで興味のない鶴姫だが、暁丸の試作品に乗せてやると、陸を走る爽快感に歓声を上げた。
どんなもんでぇ、ざまあみろ!内心で拳を握る。
この女に己の趣味を認めさせたい、分からせたい。その感情がどこから来ているのか、元親はまだ気付いていない。
【チカツル/願い】
ガキは苦手だ。なんせすぐ泣く。そうなったら、俺はもう諸手を挙げてバンザイだ。
「そういやアイツは泣かねえな」
まぁ、ガキって歳でもねぇんだが。
ちょっかい掛けりゃあいっちょ前に怒るが、大抵ニコニコ笑っていて涙は見せたことがない。
「気を許した奴の前では泣くんかな」
なんでだ、面白くねえ。
「…泣けばいいのに」
俺の前で。
俺の前、だけで。
【佐助と鶴姫/首】
暗殺の命を受けて訪れた伊予河野。そこで対峙した巫女は、不思議なほど凪いだ瞳で佐助に告げた。
「もし私が死んだら、地中深くに埋めてくれませんか?」
海ではないのかと問うと、それではどこかに流れ着いてしまうと答える。
「つまり誰にも知られたくないと?」
「私は船を支える錨なのです」
なるほど、見くびっていたのは己の方か。
首は簡単に取れそうもない。
【チカツル/触れる】
なんでだかその顔を見ると、無性にちょっかいを出したくなる。向こうも『先見の巫女』なんてご大層な肩書きの割にとんだ跳ねっ返りだから、打てば響く。勝負だなんだと散々やり合った。
その度にツラ突き合わせてガン飛ばして、お互いの距離が狭まることは何度もあったはずだが、不思議と触れたことはなかった。触れるという選択肢が頭になかった。
ところがある日ふと、手に触れてみた。理由なんかねえ、ほとんどそれは衝動だった。
ほっそりとした右手を両側から包み、親指を滑らせる。肌理細やかな手触り、細い指。しかし指先だけが不自然に硬い。
鶴の字は変な顔でこちらを見上げている。だが何も言わなかった。ただ黙って、俺を見ている。
そうか、俺はずっとこうしたかったんだ。
不意に腑に落ちた。我ながら鈍い。
「俺、お前に惚れてるみてぇだ」
目の前の鶴が豆鉄砲を食った。
PR