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ちか と つる

「おおだま」と「しずくいし」による、『戦国BASARA』のチカツルについてあれこれ語ったり、二次創作したりするブログです。NLオンリー。腐はどこを探してもありません。

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ツイッターに垂れ流した、短いものをまとめました。
『#同題ssBSR』という企画にこっそり参加したもの、参加しようと思ったけど字数オーバーで断念したものがほとんどです。
【チカツル/手】
 いつもは紫の弓懸に覆われた大きな手が、鶴姫の頬を滑る。
 巨大な碇槍を操るために豆ができ、節くれだったそれは少し肌に痛いけれど、直接伝わる体温が心地良くて。
 離れていく名残惜しさに、鶴姫はそっと手を重ねた。


【チカツル/機械仕掛け】
 カラクリにまるで興味のない鶴姫だが、暁丸の試作品に乗せてやると、陸を走る爽快感に歓声を上げた。
 どんなもんでぇ、ざまあみろ!内心で拳を握る。
 この女に己の趣味を認めさせたい、分からせたい。その感情がどこから来ているのか、元親はまだ気付いていない。


【チカツル/願い】
 ガキは苦手だ。なんせすぐ泣く。そうなったら、俺はもう諸手を挙げてバンザイだ。

「そういやアイツは泣かねえな」

 まぁ、ガキって歳でもねぇんだが。
 ちょっかい掛けりゃあいっちょ前に怒るが、大抵ニコニコ笑っていて涙は見せたことがない。

「気を許した奴の前では泣くんかな」

 なんでだ、面白くねえ。

「…泣けばいいのに」

 俺の前で。
 俺の前、だけで。


【佐助と鶴姫/首】
 暗殺の命を受けて訪れた伊予河野。そこで対峙した巫女は、不思議なほど凪いだ瞳で佐助に告げた。
「もし私が死んだら、地中深くに埋めてくれませんか?」
 海ではないのかと問うと、それではどこかに流れ着いてしまうと答える。
「つまり誰にも知られたくないと?」
「私は船を支える錨なのです」
 なるほど、見くびっていたのは己の方か。

 首は簡単に取れそうもない。


【チカツル/触れる】
 なんでだかその顔を見ると、無性にちょっかいを出したくなる。向こうも『先見の巫女』なんてご大層な肩書きの割にとんだ跳ねっ返りだから、打てば響く。勝負だなんだと散々やり合った。
 その度にツラ突き合わせてガン飛ばして、お互いの距離が狭まることは何度もあったはずだが、不思議と触れたことはなかった。触れるという選択肢が頭になかった。
 ところがある日ふと、手に触れてみた。理由なんかねえ、ほとんどそれは衝動だった。
 ほっそりとした右手を両側から包み、親指を滑らせる。肌理細やかな手触り、細い指。しかし指先だけが不自然に硬い。
 鶴の字は変な顔でこちらを見上げている。だが何も言わなかった。ただ黙って、俺を見ている。
 そうか、俺はずっとこうしたかったんだ。
 不意に腑に落ちた。我ながら鈍い。

「俺、お前に惚れてるみてぇだ」

 目の前の鶴が豆鉄砲を食った。

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